『謎とき 名作童謡の誕生』を読んで |
- 日時: 2003/01/11 00:59
- 名前: シゲオ
- 新年おめでとうございます。
久しぶりで上田さんのHPを見たら新刊案内が出ていたので大晦日に書店に行って買ってきた。 ボクのような門外漢にも分かりやすい。名作童謡の誕生と周辺という感じで、言い伝えられている周辺の話を拾い尽くしているのも見事でした。「故郷」と「赤とんぼ」のまとめ方も1953年生まれの学生運動最後の世代にふさわしい結論でした。(かくいう私も今年は50歳) 中学生の時に新聞配達をしていたとき、新聞の一面がすぐに目に入ります。吉展ちゃん事件とアラビヤ遊牧民を夕刊を配達しながら読んだことを覚えています。月の砂漠のことは単行本になってから読んだと思うのですがカルチャーショックを受けました。(185ページの誤植は惜しい) 中学校から高校に教師が派遣されてきた時がありましたが、彼等の中に卒業式の「仰げば尊し」斉唱を阻止することに情熱を感じている者がいました。師が尊いのではなく師の恩が尊いのである、とか歌詞についての解釈論争を学年会でしました。名作童謡の研究というメジャーな研究世界に入ると他からは不毛と見える論争にも打ち勝ち、俗論をそのつど論破しなければならないでしょう。 こういう読まれる本を出すと筆者へのジェラシーを感じる人も出てくるでしょうね。 反動映画「プライド」で獄中の東条英機が妻と金網越しに面会する所がある。その時にいしだあゆみの妻が北原白秋の童謡を口ずさみ、東条も一緒に歌う場面がある。大正期の自由主義を踏みにじっていった東条たちを正反対のでっち上げで美化するものであり、いまだに憤りがやまない。映画「プライド」のことはみんな忘れたかもしれませんが、児童文学者の反論が欲しいとずっと思っています。 旧海軍の練習機「赤トンボ」は93式陸上中間練習機です。昭和9年採用、終戦までに練習機としては他に例を見ない5591機が造られた。陸海軍の練習機は機体をオレンジ色に塗装されていたので「赤トンボ」と言われたとのことです。 愚にも付かないことを御本の感想として書きました。新年と言うことでお許し下さい。 
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